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メンタルモデル

堀と持続的な競争優位

優れた事業とは、持続的な優位――競合が時間をかけてもその収益を侵食できないようにする「堀」――によって守られている事業である。

BerkshireにおけるMungerの投資面での中心的な貢献は、安くて凡庸な事業を買うことから、優れた事業を妥当な価格で買うことへの転換だった。そして事業を偉大にするのが、持続的な競争優位である。たとえは、堀を巡らせた城だ。高い収益を上げているほとんどの事業は、それを真似て利益を食い潰す競合を引き寄せる。だからこそ、稀少で価値あるものとは、ライバルが容易に越えられないほど広く深い障壁なのだ。その障壁こそが、企業が並外れて良い収益を長きにわたって上げ続けることを可能にする。

堀には、いくつかの見分けやすい形がある。顧客が信頼し、割増を払ってでも求めるブランド。使う人が増えるほど価値を増すネットワーク。競合が太刀打ちできないコスト優位。顧客を囲い込む高いスイッチングコスト。あるいは攻めにくい規制上・規模上の地位。See's Candies――Mungerが1972年にBuffettに後押しして買わせた事業――は、その典型である。競合が引き剥がせない価格決定力を備えた、愛されるブランドであり、何十年にもわたって現金を生み出し続けた。肝心なのは堀の質であって、価格の安さではなかった。

何より大切な言葉は「持続的」である。堀のように見えて、技術や嗜好が変われば蒸発してしまう一時的な優位を享受している企業は山ほどある。Mungerはそうしたものを警戒した。難しいのは、その優位が10年後、20年後にもなお健在かどうかを見極めることであり、ほとんどはそうではない――だからこそ、真に堀を持つ事業は稀少で、ひとたび見つけたら持ち続ける価値がある。このモデルは「尻に根を生やす投資」に直結する。素晴らしい事業を買ってただ持ち続けられる理由は、あなたが何もしていない間も、堀があなたの収益を守る仕事をこなしてくれるからだ。