メンタルモデル
メンタルモデルの格子細工
知識を多くの分野の大きな考え方からなる枠組みに掛けておけ。そうすれば、事実がばらばらに漂うのではなく、つながって使える理解になる。
これは、マンガーの思考法全体の根底にある核心的な考えで、1994年の南カリフォルニア大学(USC)での講演で展開された。彼の主張は、孤立した事実だけでは良い意思決定はできない、というものだ。事実を掛けておくための「理論の格子細工」が必要なのである。この格子は、主要な諸分野にまたがって引き出された、本当に重要なひと握りのモデルから組み上げられる — 数学からは複利と確率、経済学からは需要と供給とインセンティブ、心理学からは認知的傾向、生物学からは自然淘汰と生態系、物理学からは臨界量と均衡、といった具合だ。その構造に結びついた事実は理解となり、それを欠いた事実はたちまち忘れ去られ、めったに使い物にならない。
決定的に重要なのは、モデルは一つの分野ではなく多くの分野から来なければならない、という点だ。マンガーの論法はこうだ。重要な問題は学問の境界を尊重しないのだから、経済学だけ、あるいは工学だけを武器にした人間は、自分の単一の分野の外にある力に大きく支配される状況をことごとく読み違えてしまう。彼は、人を世事に通じさせるうえで荷物のおよそ九割を運ぶのは八十か九十ほどの主要モデルだろうと見積もった — 扱える数であり、人々が恐れるよりはるかに少ない。
見返りは統合にある。問題を一度に複数のレンズ — インセンティブ、心理、数学、競争のダイナミクス — を通して見られるとき、単一の専門家なら誰もが見落とすものが見えてくる。その中には、多くの力が一点に収束する危険な瞬間(マンガーの言うロラパルーザ効果)も含まれる。格子細工を築くことは、それらの大きな考え方を身につけ、それらを組み合わせて使うことを学ぶ、意図的で生涯にわたる事業である。それこそが、この一覧にある他のあらゆるモデルを単なる座興以上のものにする土台なのだ。